ボールをかっ飛ばすスポーツながら、ホームランが出てもあくまで人がホームに帰ることで得点になるという点も独特です。一体どこの誰が考えたのやら。
ということで、一体どうやって野球が生まれたのかを考えてみたいと思います。
Wikipediaにもっともらしい歴史が載っていますが、ゲームデザインの観点から、今、無から野球というスポーツに辿り着くことが出来るか、という一つの思考実験です。
ストライクゾーンやバットなど、近い概念は生まれた時点で現在の呼び名で呼びます。
やはり、最初は投手と打者だけがいたのでしょう。古代から、石を速く遠く投げることは、狩りなどで実際的に意味のある行動です。
同様に、木の棒と手頃な物体があれば、棒で叩いてどこまで物体が飛ぶかを試してみたくなるのも人情。
そんな二人が出会えば、投げられたものを棒状のもので遠くに飛ばす勝負が生まれるのは自然です。
二人の目的は単純。打者は「投げられた球を思い切りかっ飛ばす」。投手は「打者を負かす」。それがすべての基になります。
投手が投げたボールを、一定距離以上遠くに飛ばせばバッターの勝ち
この段階でのルールを洗練していきます。
最初に、打ちようのないボールは打たなくてもいいように「ストライクゾーン」が生まれました。
そうした場合、もし一球勝負だと、投手はストライクゾーンに投げないと必ず負けになってしまいます。
また、一球で五分五分の勝負にしようと考えると、打席とマウンドの間にある程度の距離が必要になりますので、確実にストライクゾーンに投げることは困難です。
大元の目的として、ある程度の確率で打者が気持ちよくボールをかっ飛ばすことが一番大切なので、
「ストライクに入れることが困難でない距離」にし、「打者に何回かのチャンス」があり、「ボール球を投げすぎると投手の負け」「ストライクゾーンを見送りすぎると打者の負け」になるルールが完成します。
この時点では、打者中心に扇型を描き、ある程度の距離以上飛ばせば打者の勝ちということになっています。
バットには当てたが扇型の外に落ちた場合、あいこということでどちらのカウントも増えません。
これでゲームとしての様式は整いました。